こんなことになるなんて...
父が会社の代表者になったのは、前任者に「頼まれて」のことだった。
他に適任者がいないという状況で断れなかったのだと思う。
当時、母が、「社長なんか引き受けて大丈夫なの?」と心配していたっけ...
その時から、私が後処理をする事が決まっていたんだね。
父の会社に行くことなど 一生ないと思っていた。
しかも、父がいなくなってから、入れ替わるようにして私が通っている...
はじめて社内に足を踏み入れた時、父が仕事をしている姿がありありと目に浮かんだ 👁️
「社長は野球が好きでしたよね、たまに気分転換に素振りをしていましたよ」
社員のHさんが、壁に立て掛けてあったバットを持ち、父の素振りを真似て見せる。
病気にさえならなければ、年齢よりもずっと若い人だったのに...本当にガンが憎い。
こんなことになるなんて誰が想像しただろう。
人生には思いも寄らぬことが起こるものなのだと、心の底から実感している。