逝き方
「そろそろ(仕事を)引退して、家でのんびり過ごせば?」
「そんな事を考えると死にたくなる」
弟と父の会話だ。
父はじっとしているのが苦手で、のんびりするということが出来ない人だった。
いつも動いていた。
あれよあれよという間に逝ってしまったけれど、これで良かったのかもしれないと思ったりもする。
例え寿命が延びたとしても、それが寝たきりの生活ならば、父にとっては「生き地獄」のはずだ。
とても耐えられないだろう。
だから、良かったんだよ...これで。
自分で自分に そう言い聞かせている。